【新規開発品】PFAS規制対策! フッ素フリー潤滑塗料(金属向け)

概要|PFASの問題点と新規開発品について
PFAS(有機フッ素化合物)は、その化学的安定性と耐水・耐油性の特性から、数多くの産業製品で使用されてきました。しかしながら、近年の研究で、特にPFOA(パーフルオロオクタン酸)やPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)などの特定のPFASが環境や人体に悪影響を及ぼす可能性が指摘され、全世界的にその安全性が問題視されています。
このような背景を鑑み、当社では、持続可能な社会の実現に向け、安全かつ環境負荷の少ない製品開発を推進してまいりました。具体的には、PFASやその他の有害物質を含まない、新しいタイプの製品作りに注力してきました。
この度、フッ素を一切使用しないPFASフリーの固体潤滑塗料の開発に成功しました。この塗料は、フッ素化合物はもちろん、環境ホルモン問題などの懸念が指摘されているシロキサンも含まれておらず、しかしながら、その摺動性能は従来のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)塗料と同等レベルを維持しています。
当社の開発した塗料を機械部品等の摺動部材に用いることで、従来のPTFE系塗料に匹敵する高い性能を持ちながら、環境に優しい選択肢を提供することが可能です。また、当製品が形成する淡黄色の被膜は、お客様のニーズに応じて色味の調整が可能であり、用途によっては見た目にも配慮したカスタマイズが実現できます。(色味調整などを実施した場合は、摺動試験が必要になります。)
各種性能評価|PFASフリーとPTFE塗料の特性比較
リン酸塩処理を施したSPCC基材に新開発塗料の適用評価を行い、期待通りの結果を得ることができました。摺動試験において、我々の塗料は既存のPTFE系塗料と同等の性能を示しました。
成膜プロセスの一環として、塗料は230℃で1時間の硬化処理を行います。この工程は、塗料の密着性を強化し、一定の耐久性を確保するために不可欠です。
これらの試験により、実機での要求特性を満たす可能性があることを示しています。環境への配慮と性能のバランスを重視して開発された当社の塗料は、新たな選択肢としてお客様のニーズに応えることができます。

摺動試験結果|PFASフリーとPTFE塗料の摺動性比較
ボールオンプレート法を用いた往復摺動試験を実施しました。同一の試験条件で、この塗料はPTFE系塗料と比較して、摺動寿命が同等レベルであることが確認されました。この試験結果は、塗料が高い耐摩耗性を持ち、長期にわたる使用でもその効果が持続することを意味します。
これにより、お客様は従来のPTFE系塗料を使用する場合と同様の信頼性と効率性を、当社の製品でも得ることができると考えております。この結果は、我々の製品が市場の厳しい要求を満たし得るポテンシャルを持っていることを示しており、さらなる応用範囲の拡大と、持続可能な製品選択肢としての可能性を秘めています。

用途例|PFASフリー塗料の展望
- 精密機器: 本塗料は、カメラのズームメカニズムやプリンターの動作部品など、微細な動きが必要とされる精密機器において、摩擦を減少させ、スムーズな動作を実現します。これにより、製品の耐久性が向上し、長期にわたる安定した性能が期待できます。
- 家電製品: 家庭用の電気製品やキッチン機器など、日常的に使用する機器の可動部に塗料を適用することで、耐久性を高め、静かな動作を実現します。
- 医療機器: 医療機器や診断機器の部品にこの塗料を使用することで、機器の信頼性が向上し、繊細な機器操作がスムーズになります。
- 一般産業機械: 軽工業向けの各種機械やツールにおいて、日常的な使用に耐えうる強度と長寿命を実現します。摩擦や摩耗から部品を保護し、機械の寿命を延ばします。
詳細は川邑研究所へお任せください!